英会話講師や英会話コーチの道を志したことはなく、気づけば周りから「おしえて!」と頼まれ、応じていました。高1のとき近所のお母さんから、Yucaちゃんうちの子に英会話おしえてくれる?三千円でどうかしら? という提案からスタートして、その子はみるみる上達したのですぐに六千円になって(笑)
「どうしてそんなに英語ができるの?」「なにで勉強してるの?」……と、会う人会う人から100万回くらい尋ねられ、私がスパルタ塾で秘密のトレーニングをしているとか、本当は外人の彼氏がいるのだろうとか、何か隠しているはず! などと噂が絶えませんでした。電車は反対方面なのに高校からの帰り道、1時間かけて私にくっついてきて上達の秘訣を聞き出そうとする同級生までいたほどです。
みんな「秘密」を知りたがりました。上智大学に入ってすぐ、ネイティブの先生も同じリアクションでした。そんなことあるわけない、と。ああそうか、「好きだから、自宅で独学でできるようになった」なんて誰も信じてくれないし、信じたくないんだな、ということに気づきました。
人と自分は何がちがうんだろう? 他人はやっていなくて、自分だけがやっていることが何かあるはずだよな。そう思って、何年もずーっと考えたりしていました。なんで英語できるの? への返答がうまく言語化できないというもどかしさもありましたし、「つまりセンスがいいんだね」と結論付けられてしまう悔しさもありました。これだけ注目され、疑問を投げかけられるならば、いっそこれを仕事にしていいんじゃないかと。
つづく